エコチル調査とは

 エコチル調査とは、環境省が日本国内15の地域で10万組の子どもたちとそのご両親にご協力いただいている「子どもの健康と環境に関する全国調査」です。
 エコチル調査は、2011年より開始し、お子さまがお母さまのおなかの中にいる時から、13歳になるまで、定期的に健康や生活の様子について確認させていただきます。
 調査は、環境省が企画し、国立環境研究所が中心となり、国立成育医療研究センターおよび、全国15地域の大学等と連携して行っています。

調査の目的

 子どもたちの成長や健康に影響を与えている環境の要因を明らかにすることです。
 エコチル調査でわかったことから、未来を生きる子どもたちがより健やかに成長できる環境、安心して子育てできる環境をつくることをめざしています。

※妊娠しているお母さまの参加登録は、平成26(2014)年3月31日をもって終了しました。
 現在は、参加登録をいただいた方に調査へご協力いただいています。

エコチル調査についての詳細は、以下のサイトでご覧いただけます。
環境省 エコチル調査ホームページ エコチル調査とは

エコチル調査 名前の由来
英語で、「エコロジー(環境)」と「チルドレン(子どもたち)」を組み合わせ、「エコチル」と名付けられました。

環境中の化学物質、生活習慣と子どもの健康(成長や病気)との関係性を調べます

なぜエコチル調査は環境の要因(環境中の物質)を調べるのでしょうか

 近年、子どもたちに、ぜんそく、アトピーなどのアレルギー疾患や、発達障害、肥満などが増加しています。
また、子どもたちの健康に影響を与える要因として、環境中の物質や、生活習慣、遺伝的な性質などが関係しあっていると言われています。

 特に、環境の要因として、この50年の間に、化学や技術が急速に発展し、私たちの暮らしはとても便利になりました。
 一方で、これに伴って、様々な化学物質が身近に増えてきました。こうした人間が作り出した物質が、私たちや子どもたちの健康にどのような影響や関係があるのか、詳しく解明されていないのです。

エコチル調査で調べること

 生活環境の中にある物質(空気や水、食べ物に含まれる化学物質、ダニなどのアレルギー物質)、生活習慣(食事や運動など)、遺伝的な性質が、子どもたちの成長や病気とどのような影響があるかを調べます。
病気の発症予防のためには、影響を及ぼす原因に対しての、正確な情報と正しい理解、環境・食物への監視が最も効果的だからです。

なぜ赤ちゃんがおなかにいるときから調べるのでしょうか

 子どもは成長段階にあり、身体ができあがっていないため、大人より化学物質の影響を受けやすいのではないか、と考えられるからです。

 赤ちゃんがお腹の中にいるとき、お母さまの体には、貴重な情報がたくさんつまっています。子どもの病気が明らかになってからでは、その情報の多くが失われてしまっているのです。

 このため、環境省では、お子さまがおなかの中にいる時から、長い期間、お子さまの様子、環境中の物質、生活環境などを確認し、健康に影響を与える要因を明らかにするため、疫学調査を計画しました。

研究成果は子どもたちや次世代の人のために役立てます

 病気の多くは、遺伝的な性質、生活習慣、環境中の物質などが関係しあって起こります。これらの関係を明らかにすることができれば、子どもが健やかに育つための環境の整備や病気の予防に役立つ政策を立てることができます。

 エコチル調査は、次世代の子どもたちが健やかに育つ環境の実現のために大変重要な調査研究です。

 エコチル調査から発表された成果発表は、環境省エコチル調査ホームページ成果発表一覧をご覧ください。
福島ユニットセンターから発表した学術成果は、こちらからご覧ください。

13歳以降調査について

 みなさまのご協力により、貢献度が高い事業として社会的に認められたことから、13歳以降も調査を継続できることになりました。

 詳しくは、こちらをご覧ください。

エコチル調査の調査内容とスケジュール

 調査には、全体調査と詳細調査の2種類あります。
 全体調査とは、参加者のみなさま全員に行って頂く調査です。 全体調査では、質問票調査や血液・尿・毛髪などの試料を採取・提供していただきます。
 また、お母さまやお子さまの診療状況や健康状態について、医療情報などを記録させていただきます。
 具体的には、妊娠中~出生後1か月の医療機関の診察記録票、母子健康手帳、エコチル調査が対象とするお子さまの疾患の診察記録票(疾患情報登録調査)、学校保健記録(予定)からの転記です。
 お子さまが小学生になったら、学童期検査乳歯調査をご案内しご協力いただくようお願いします。

 詳細調査は、参加者様の中から一部の方(全国で5,000 人)にご協力をお願いする調査です。

※お父さまにも、調査へご協力いただける場合、お母さまが妊娠中に質問票への記入と採血(30ml)を、一度だけお願いします。

 全体調査と詳細調査の内容およびスケジュールは、下記のとおりです。

全体調査

 国内各地域の約10万組のお子さまとお母さま、そして、お父さまに参加していただき、お子さまがお母さんのおなかにいる時から13歳になるまで、定期的に健康や生活の状況について調べます。

  • 質問票調査
    妊娠中およびお子さまが生まれてから13歳になるまで年2回質問票で、お子さまの成長、健康、生活の様子について調べる
  • 学童期検査
    小学2年生と6年生のお子さまを対象に成長や健康について調べる
  • 乳歯調査
    小学4年生のお子さまに乳犬歯をご提供いただき化学物質を調べる
  • 疾患情報登録調査
    質問票の回答より、エコチル調査が対象とする疾患をもつお子さまが治療を受けた医療機関へ、診断または治療の情報について調べる

詳細調査

全体調査の一部の方にお願いしてお子さまの健康と生活環境をより詳しく調べます。
国内各地域で約5,000人が参加しています。
対象者:2013年4月1日以降に生まれたお子さまのうち約5%の方

  • 環境測定(訪問調査)
    家庭内の化学物質やハウスダストなどを調べる
  • 医学的検査
    子どもの健康状態や、成長・発達・アレルギーの体質などを調べる
  • 精神神経発達検査
    専門家の面談などにより子どもの発達を調べる
  • このほか、各ユニットセンター独自の「追加調査」が行われる場合があります。
    福島ユニットセンターの追加調査について、詳しくはこちらをご覧ください。

リクルート期
2010年度〜(3年間)

10万人の妊婦さんの募集・登録
 

追跡期
2013年度〜(13年間)

子どもが13歳になるまで健康状態の追跡調査

解析期
2027年度〜(5年間)

調査終了後約5年間にわたって収集したデータを解析

スケジュール

リンク・PDF資料