正念場を迎えるエコチル調査

平成23年1月に開始されましたエコチル調査は15年目に入っています。開始当初は13歳までの実施予定でしたが、40歳に至るまで継続することが決定され、現在、調査対象のエコチルキッズは11歳から14歳となりました。福島ユニットセンター(UC)では出生数の約92%にあたる11,824人が継続参加されています(令和7年3月現在)。改めまして、参加者、関係者皆様のご理解、ご協力に感謝申し上げます。
“正念場を迎える対面検査”
対面調査として全対象者の5%を対象とした詳細調査(医学的検査)と全員を対象とする学童期検査を実施しています。
詳細調査は2歳から2年毎に県内の38か所の小児科医療機関にご協力のもと約600人の児を対象に実施してきました。令和6年度は令和5年度に引き続きWISC知能検査を含む10歳の調査を進めました。小学2年生、6年生の時に実施する学童期検査は令和5年度からは6年生を対象として実施してきました。検査項目に血液検査、皮膚観察が追加されたため、医療機関にご協力いただき実施しています。令和5年度、令和6年度、令和7年度、令和8年度、それぞれ全県下で915人、1,959人、5,536人、2,837人が対象者となります。これまで学童期検査には40か所の小児科医療機関(13病院+27個人医院)から協力の意向を示していただき実施しています。しかし、多忙な協力機関での効率性、参加者の利便性を考え、通常の外来での個別実施に加え、令和7年度からは県内各地域での医療機関での集団健診方式で実施できるよう準備を進めました。
“コミュニケーション活動”
主役の子ども達にエコチル調査への関心をさらに持っていただき、県民の皆さまへの周知を目的に“顔の見える”様々なイベントを開催、そしてブース出展をしています。参加者対象イベントとしては7月7日には猪苗代町の国立磐梯青少年交流の家”にて“会津漆 蒔絵体験にチャレンジ!”を開催しました。また、2月15日には、郡山市にある体験型学習施設併設された富久山クリーンセンターにて参加者の親子と共に学ぶ環境セミナー「ごみ減量や気候変動対策」をテーマに開催しました。一般の方も参加可能な活動として、10月20日には郡山市のカルチャーパークにて“エコチル★ふくしま おやこでダンス教室”を開催しました。これらのイベントの一部は活動の様子を動画配信しています。また、5月5日には郡山市の“子どもまつり”、さらに11月10日に会津若松市での“いきいき健康づくりフォーラム”にはブース出展し多くの方々にご来場いただきました。
“成果の発信”
調査、研究である本出生コホート調査の目的は、確かなエビデンスを社会に還元することです。全国10万組の母子からのビッグデータによりエコチル調査関連の論文が数多く執筆されています。福島UCでは令和6年度は学術ワーキンググループのメンバーが11通(英文累計74通)の英語論文を発表しました。当UCを含めエコチル調査からの発表論文は当UC、あるいは環境省のホームページからご覧いただけます。
“社会への還元”
最近、プレコンセプションケア(Preconception care)の重要性が説かれています。プレコンセプションケアとは将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うことです。当UCも含めエコチル調査全体からも関連する論文が多数発表されています。令和6年度は当UCの産婦人科医師により、一般、母子保健関係者、高校生を対象にエコチル調査からの知見をもとにプレコンセプションケアに関するセミナー、出張授業を県内各地で開催しました。
“3世代コホート研究への課題”
40歳を目途とする、「両親・本人・本人の児」の13歳以降の調査が令和6年度から本格的に開始されました。これまでは保護者のご理解と熱意に支えられてきたエコチル調査ですが、13歳以降の参加継続は児の意思が尊重されることとなり、これまで以上に子どもたちの本調査へのご理解、ご協力が重要となると同時に大きな課題です。さらに成人への調査の展開により内科医療機関との協力体制の構築が課題となります。
今後エコチル調査は、成人領域、そして両親・本人・本人の児の3世代コホート研究へ発展していきます。本調査から得られる果実がより大きくなることが期待されます。今後とも、関係者の皆さまの御理解と御協力のもと参加者とともに一歩一歩あゆみ続けて行きたいと存じます。よろしくお願いします。
2025年7月
今後ともご協力ください。

平成23年1月から始まったエコチル調査も、皆様方の絶大なるご協力とご支援により平成26年3月末をもってリクルートが終了し、さらに平成27年の1月をもって全てのお母様方のお産も無事終わりました。途中、東日本大震災があり、平成24年10月からは福島県に住む全ての妊婦様が対象となり、合計13,000人を超える方にご参加いただきました。この参加者数は、全国15箇所のなかでトップです。これだけ沢山の方々にご参加いただけたのは、お母様方やお父様方のご協力はもちろんのこと、福島県内の産婦人科医療施設の産婦人科の先生、助産師さん、看護師さん、皆様のご協力なくては達成できませんでした。本当にありがとうございました。
今後も福島ユニットセンターやメディカルサポートセンターがサポートして参りますので、将来の子供たちの健やかな成長のための調査に今後ともご協力下さい。
これからもよろしくお願い致します。

エコチル調査は、2011年の開始から、早や8年目に入りました。全国で10万人の参加者を目標として調査への参加を募った結果、福島のお母さんの登録数は、延べ人数で13,131人(2017年3月24日時点)となっており、全体の12.7%になります。これは、福島県では、東日本大震災後の全県の妊産婦の方の不安に対応すべく、対象地域を全県に拡大したことによります。
さて、エコチル調査は、環境要因(特に環境化学物質)が子どもたちの成長・発達にどのような影響を与えるのかを明らかにすることが目的です。私たち福島ユニットセンターでは、エコチル調査の目的を踏まえ、福島の参加者の皆様の貴重なデータを適切に解析し、「福島で安心して産み、育てられる環境を作っていく」ために役立てていきたいと考えています。皆様には、本調査に引き続きご協力頂ければと存じます。皆様と皆様のご家族のご健勝を祈念しております。
2018年4月
よろしくお願い致します。

この度、2024年7月より、エコチル調査福島ユニットセンターのメンバーに入れていただきました。エコチル調査では、子供の健康や成長に影響を与える環境因子を明らかにして、より子供が健康に成長できる環境と、ご家族が安心して子育てできる環境を実現できることを目指します。ユニットセンターの中でも福島県では多くの方に参加いただいております。参加者皆様のご協力があって初めてできる調査ですので、参加いただいた皆様には感謝申し上げますとともに、今後とも調査にご協力のほど、どうぞよろしくお願い致します。
2024年7月
ふくしまから世界へ

2019年4月より、福島の仲間にいれていただきました。前任は東北大学病院産婦人科で、エコチル調査には開始時から関わっております。
エコチル調査はご存じのように、多くの方々のご協力のもとに成り立っています。その貴重なデータを解析させていただき、おかげさまで、興味深い成果が次々と得られてきました。それらを通じて私が感じたことは、エコチル調査は、どちらかというと、病気や障がいに関わる危険因子は何か?ということに注目されがちです。しかし、発想を逆転すると、どのような環境(食生活など)だと、お母さんやお父さんはより順調な妊娠・産後の生活を過ごすことができるのか、子どもたちはより健やかに成長することができるのか、そのためにはどのような環境づくりをすればよいのか、という貴重な情報がたくさん詰まっていることを改めて実感しています。
これは、日本だけでなく国際的にも非常に大切な情報です。福島から世界の、そして未来の子どものために、今後ともご協力とご支援をお願いいたします。
2019年7月
ありがとうございます。

子どもを取り巻く生活環境が心身の成長発達に大きな影響を与えていることに異論はないと思います。しかし、養育環境以外の環境要因、たとえば化学物質が身体の発育、精神の発達、疾病の発生にどのような影響を与えているのか明らかではありません。環境省による「子どもの健康と環境に関する全国調査」は全国で生まれた10万人の子どもの健康を長期間にわたり調査する壮大な調査であり、この調査に参加できることに誇りを感じるとともに、その調査結果に大きな期待を寄せています。次世代の子どもたちにより良い環境を残すため、是非調査へのご理解とご協力をお願いいたします。
エコチル調査の新たなステージに向けて

2025年4月より、福島ユニットセンターの一員となりました。福島県では、2011年のエコチル調査の開始以降、東日本大震災の後に調査の対象を全県に拡大し、以来、県内にお住まいの多くの方々にご参加いただき、地域単位としては全国でも最大規模で調査を実施してまいりました。エコチル調査の開始から15年目に入り、当時調査に参加して生まれたお子さんが小学校高学年、そして中学生となり、これまでの調査から様々な成果も出てきていることにつきまして、多くのみなさまの本調査へのご協力に改めて感謝申し上げます。
調査は今後、13歳以降も継続されることとなり、エコチル調査の重要性と成果への期待が益々高まっています。これからのエコチル調査の新たなステージに向けて、参加者のみなさまに引き続き本調査にご協力いただけるよう、また、調査とその成果を広く知ってもらえるよう、取り組んでまいります。よろしくお願いいたします。
2025年7月
引き続きご協力をお願いいたします。

2021年6月より福島ユニットセンターに入れて頂き、主に妊娠前からの食生活習慣と周産期合併症の関連についての研究に取り組んでおりました。このたび、2025年5月より情報管理責任者を拝命することとなりました。これまでエコチル研究から様々な知見が発表されてまいりましたが、13歳以降も調査が継続されることとなり、エコチル研究の重要性がさらに高まり、今後も多くの貴重な成果が得られていくものと期待されております。東日本大震災が発生したことにより、福島県では対象地域を全県としており参加者数も全国でトップであり、エコチル研究全体において福島県は大きな役割を担っております。
エコチル研究はご参加いただいているご両親、お子様、医療機関や関係者の皆様からの多大なるご協力のもとに成り立っております。今後も本調査の継続へのご協力を何卒よろしくお願いいたします。
2025年7月
皆さまのご協力はエコチル調査にとってかけがえのないものです

福島をはじめ、全国のエコチル調査に参加してくださっている子どもたちは、この春3歳から6歳になりました。また、平成23年度生まれのみなさんは小学1年生になりました。おめでとうございます!
福島県で協力してくださっている保護者の皆様は、東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所事故後の大変な時期に、『未来の子どもたちの子育てや環境のために』とお子様の妊娠中から今日まで長い期間ご協力をいただいています。育児などでお忙しいところ、半年に1回質問票を送ってくださり、大変ありがとうございます。
今後、子どもたちが学童期(小学校入学以降)になりますと、質問票をお願いする時期など幼児期と変わってゆくものがあります。年4回お届けしているニューズレターなどであらかじめご案内を差し上げますけれども、ご不明な点がございましたら福島ユニットセンターへお問い合わせください。
また、県内関係医療機関、行政機関の皆様のご理解とご協力に感謝いたします。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
2018年4月
共に歩むエコチル調査

エコチル調査にご協力いただきありがとうございます。私自身もエコチル調査に携わり、10年以上となりました。お子さまも現在は中学生、小学生高学年となり、お一人お一人の成長された姿に嬉しさを感じながら過ごしています。
エコチル調査が13歳以降も継続されることとなり、新たなステージを迎えました。これからはさらにお子さま自身にエコチル調査に関心を高めていただき、協力したいと思っていただけることが大切と考えています。参加者のみなさまにご意見をうかがい、創意工夫を重ねながら、エコチル調査を共に進めてまいります。
参加者並びに関係者のみなさま、今後もエコチル調査へのご支援・ご協力を、よろしくお願いいたします。
2025年7月