センター長 橋本浩一からの挨拶を更新いたしました。(平成26年4月1日)

リクルートが終了し、新たなステージへ

東日本大震災発生から3年が過ぎました。そして、また桜の季節を迎えました。
福島県のご家族の皆様は、大震災後、希望と不安の入り混じる様々な思いの中で妊娠し、出産、そして育児をされていることと思います。エコチル調査は「化学物質を中心とした身の回りの環境が子どもの成長に及ぼす影響を調べるため、母親の胎内にいるときから児が13歳になるまで調査にご協力いただき、安心で安全な子育て環境を作る」ことを目的に環境省が企画立案し、平成23年1月より開始されました。福島県立医科大学(福島ユニットセンター)は全国の15ユニットセンターの1つとして本調査を実施しています。

「参加状況は?」 
調査開始から3年が経ち、3月31日で妊婦さんのリクルートが終了しました。全国では目標の参加者10万人を達成しました。福島県全域のご家族に参加、協力お願いしている福島ユニットは3月31日終了の時点で妊婦さん(お母さん)が約12,700人、お父さんが約7,000人、赤ちゃんが約8,700人と全体で約28,400人の方々に本調査に参加登録していただいています。福島県のご家族の皆様からの本調査へのご理解とご協力により、全国15ユニットにおいて最多の参加者数を抱えるユニットとなりました。改めまして関係者の皆様に感謝申し上げます。また、福島県民200万人の1%を超える皆様、そして、調査開始以来、「2人に1人」の妊婦さんに本調査にご参加いただきました。本調査への県内のご家族からの期待の大きさを感じますとともに、責任の重さを感じております。

「これまでわかったことは?」 
昨年度開催された環境省主催のシンポジウムでは、①妊娠中の喫煙・飲酒・服薬、②育児中のお母さんの心の状態、③育児環境(テレビや携帯電話に関して)、④お母さんの就労状況、⑤パートナーの育児への協力状況、⑥子どもの授乳、離乳食の状況、などについて集計結果が報告されました。一部は新聞などでも紹介されていますが、環境省のホームページでもご覧になれます。1つ1つのデータが1人1人の参加者、医療機関の皆様のご協力で目に見える形となってきています。

「新たなステージへ」
リクルートが終了し、エコチル調査はフォローアップという新たなステージに突入します。今年12月からは、参加者(お母さん)の5%にあたる約650人を対象に、環境調査等の詳細な調査も実施してまいります。このようにして、エコチル調査では生まれた子ども達を13年間ご家族と一緒に見守り、調査終了時にはお子さんの成長をしっかりと見守った達成感を分かち合い、そして未来の子どもたちへの大きなプレゼントをお届けしたいと思います。

「3年前東日本大震災直後に全国のユニットにお送りしたメッセージを、顧みました」
・・・・原発問題を抱える、ユニットとして敢えて皆様にお伝えしたいことがあります。我々、日本人は原発立国の日本に住んでいます。残念ながら既に風評被害が各方面で発生していますが、原発に関するリスクを全国民が共有し、解決しなければなりません。本調査の目的は「子どもの疾病を低減し、安心・安全な子育て環境の実現」です。本調査は環境化学物質に特化した研究ではありますが、当然、参加者等から放射線被曝に関する質問が多く寄せられると思います。医療関係者ですら混乱していますが、正確な情報を、正確に理解し、正確にお伝えして頂ければと存じます。最後になりましたが、母親はこのような時だからこそ、子供を見守り、寄り添いながら実施される本調査に期待し、安心を求めています。(平成23年3月26日)

福島でのエコチル調査は東日本大震災が再出発の原点となり現在に至っています。あの時の気持ちを忘れずに、福島県の復興とともに歩み、微力ながら「福島で産み育てる」ことをお手伝いすることが最大の課題とし、参加者、関係者の皆様と一緒に成長し続けたいと存じます。

桜の季節の次は風薫る端午の節句です。子どもたちの成長を一緒に見守りましょう。
          
                                                   

                                          センター長  橋本浩一 (平成26年4月1日)

 

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